<br> 初めて逢ったはずなのに<br>






初めて逢ったはずなのに









私が初めて人識くんに会ったのは、いーちゃんの家に遊びに行ったとき…










………










「ハロー。いーちゃん久しぶり〜(笑)」






久しぶりのいーちゃんの家。


は笑いながら部屋の中に入っていった。






?ホント久しぶりだね」






いーちゃんは、久しぶりのの姿に一瞬驚いたようだった。


そんないーちゃんを無視して、はある事をしてみた。






「僕様ちゃんと会わなかった間、浮気しなかったかい?v」






それは友の声帯模写だった。


声帯模写というだけあって、友の声にそっくりだった。


でも、いーちゃんはお気に召さなかったようで…。






「友の真似はやめろ!お前は似過ぎなんだよ!!;」






怒っているような、呆れれいるような感じだった。






だって声帯模写だし〜?






逆には笑っていた。






「アハハ〜♪…あれ?その人誰?いーちゃんの友達?」






はこの時やっと、この部屋にはいーちゃんと自分以外の人物がいることに気が付いた。


それは、の知らない人だった。






「…あー友達じゃない。ただの知り合い…のような赤の他人」






うわぁ…;可哀相






当然、赤の他人と言われた人は不満のようで、すぐに突っ込みを入れていた。






「冷てぇな、おい!!友達だろ!?」






はその時、初めてその人の顔を見た。


その感想はというと。






「……い」




『は?』






二人はがなにを言っているのか、上手く聞き取れなかった。




はもう1度、同じ事を言った。




今度は二人にもはっきりと聞こえるような声で…。






「うわぁ。かわいいーv」






ぎゅっ






「うわっ!!」






はその人に抱きついた。




でも、あまりにも急だったせいで、その人はの体重を支えきれずに倒れてしまった。






ドタッ






鈍い音が聞こえた…。






「(…うわー痛そう)」






目の前でその光景を見ていた、いーちゃんは素直にそう思った。




そして、恐る恐る声を掛けてみる。






「だ、大丈夫?;」





「…って〜」






その人のとても痛そうな声が聞こえてきた。




でも、その反対にの方はというと…。






「可愛い〜。君、ホント可愛い!!」






その人を押し倒した状態で抱き付きながら、可愛いと連発していた。






「…;」






そんなに対して、その人は顔が引きつっていた。






「いーちゃん、なんでこんな可愛い子今まで隠してたの!?」





「いや別に…隠してたわけじゃ…;」






いーちゃんはに押されながら答えた。




しかし、はいーちゃんの事を無視してその人に話し掛けていた。






「ねぇ、君なんて言うの?いくつ?」





「…あー零崎人識;(いくつって;)」





「(…つーか、聞けよ人の話)




。一応言っておくけど、零崎はぼく等と同い年だぞ」






「はい!?いーちゃん。有り得ない事言うなよ〜。こんな小さい子が同い年な別けないじゃん!」






は笑いながら言う。




すると、今まで名前だけ言って、黙っていた人識が口を開いた。






「…さっきから失礼な奴だなぁ。俺はお前らと同じで19才だぜ?」






ぞくっ!!






の背中に悪寒が走った。






そして、人識の方を見ると、笑っているけど目だけは笑っていなかった。






殺される!!






直感的にはそう思った。






「ごめんなさい!!私てっきり年下かと思って…」






はすぐさま謝りはじめた。




いーちゃんもフォローらしきモノをしてくれた。






「零崎、ぼくの部屋では殺るなよ。血まみれになんのはごめんだからな」





「いーちゃん、それフォローになってないよ!!(泣)」






は半泣きになりながらいーちゃんに言った。






「…かははっ傑作だ!!」






二人のやり取りを見ていた人識が急に笑い出した。






「面白い奴」






そう言われた瞬間、は助かったと思った。






し、死ぬかと思った…;






「そういえば、。今日は何しにきたんだ?




お前、極度のめんどくさがりだから、用もなく此処には来ないだろ」






…おいおい、私を何だと思ってんだ;






そう思ったが、は用件を言った。






「んーとね、友に頼まれた物届けにきたついでに遊びに来た」






そう言うと、いーちゃんに小包を渡した。






「ん?ああ、これね」






いーちゃんは小包を渡しただけで、それがなんなのか分かったようだ。




はそれがなんなのか、あまり興味がなかった。




なので、もう一つの用件済ますことにした。




どっちかって言うと、はこっちの用件の方が楽しみだったからだ。






「あとね〜友から伝言♪




【いーちゃんは、僕様ちゃんのモノなんだから、浮気なんかしちゃダメなんだよv】だそうです!」






は笑いながら言った。




人識の方もそれが面白かったのか、笑っていた。






「お前愛されてんのな〜」






人識が言う。






「ねぇ〜」






は相槌を打った。






「ハハハ…;」






一方、二人にからかわれていたいーちゃんは、ひたすら苦笑していた。












………












「そういえば、人識君って何してるの?」






ふと、疑問に思ったは聞いてみた。






「ん?あー殺人鬼♪」





「はい!?」






はスゴイ驚いた。






「コイツ、あの京都連続殺人の犯人」






いーちゃんが補助説明をしてくれた。






「うそっ!?私その人のこと憧れてたの!!」






は笑顔で言った。






「…なんで憧れ抱くんだよ;」






いーちゃんは軽く顔が引きつっていた。






「だってスゴクない?」






は嬉しそーに言う。






「ははっお前の友達らしいな」






それを見ていた、人識は楽しそうに笑った。





その笑顔が可愛くて、はまた抱き付いた。






「人識君、可愛いー!!」





「わっまたかよ!?」






ぎゅぅ






また倒れそうになったが、人識のおかげ今度は倒れずにすんだ。






「お前急に抱き付いてくんなよ;」






人識が苦笑しながら、文句を言う。






「あはは、ごめんね?」






そう言っては人識から離れた。






「んじゃ、いーちゃん私帰るね〜」





「またね、





「人識君も縁が会ったらまた会おうね〜♪」





「おう、またな」












………












が帰ったあと、先にいーちゃんが話し始めた。






「よくに抱き付いてもらえたな」






いーちゃんは不思議そうに人識に言った。




しかし、人識はいーちゃんが言っている意味がわからなった。






「なんで?誰にでもこんなんじゃねぇーの?」





は極度の人見知りだから、慣れてる奴じゃないと話さないんだよ。




だから、抱き付くなんてまず有り得ない。ぼくも話し掛けて来てくれるまで3日位ははかかった」






人識の質問をいーちゃんはすぐに返してくれた。






「…へー」












………












その日の夜。




は寝ようとして、ベットの中いた。






今日は久しぶりに、いーちゃんに会えて楽しかったなぁ。




それに人識君可愛かったし?




でもなんで人識君に抱き付けたんだろう…。




まっいっか。






二人が不思議だったように、それはにとっても不思議だった。




しかし、そこまで深く考えずに、は眠りについた…。












………









数日後




が暗い道を歩いていると、後ろから誰かがついて来ている気がした。






なんだよ〜




ちゃんの可愛さに惚れたストーカー君かい?






一見、のずうずうしい発言だが実は正解。




角を曲がった所で、男はに声をかけてきた。






「あ、あの、オレ。ずっと君のこと見てたんだ!」





「ごめんなさい」






は間髪入れずに断った。




すると、男はブツブツとなにかを言い始めた。






「…ア…?…ア…ア…!……キ…ヲ……ロシ…テ……ボ…シ…ヌ……!…」





「……;」






キミヲコロシテ、ボクモシヌ!






には確かにそう聞こえた。




は自分の顔が引きつっているのがよーくわかった。






迷惑だ;






がそんな事を考えている中、男はポケットから何かを取り出した。






キラリと光って先端が尖っている―。






あーやっぱナイフですか…






は頭の隅のほうで、冷静に判断していた。






「君とつきないなら君を殺して僕も死ぬ!!」






今度はハッキリとした声で男は言った。






「あの〜いー迷惑なんですけど、死ぬのは勝手だけど、私まで巻き込むのは止めて?」






は笑顔で残酷な事を言った。




でも、その言葉は男には聞こえてなかったようで、に突っ込んできた。






「うわぁー!!」






スッ






はそれを避ける。






そんなチャチなナイフ、脅しにもなんないから;






もポケットから護身用ナイフを取り出そうとした。






……はい?



しかし、いくらポケットに手を突っ込んでも、中は空だった…。






…サァー






自分の血の気が引くのがわかった。






ヤバイ;どうしよう…






そんな事を考えてるとさらに最悪な事に気が付いた。




自分の後ろに先がないことに…―。




「あー絶体絶命?」






死ぬかもしれないというのに、は笑っていた。




それは、自分でも不思議だった。




男も嬉しそうに笑っていた。




やっとのことを追い詰める事が出来たからだろう。






あーもう諦めるかぁ






そう思っては目をつぶった。




別に恐いというわけではなかったが…。






ヒュンッ






風の切る音が聞こえる。






「………」






いつまで経っても男のナイフがの胸に突き刺さらなかった。






「?」






暫らくすると…。




ボトボトって音とともに血の臭いがしてきた。




は目を開けた。




そこには、元男の形をしたモノとの知っている人物がいた。






「あれ〜人識く…ん…?」






バタッ






「あ?」






という声が聞こえた気がしたが、の意識はそこで途切れてしまった。












………












「ん…?」






なんで、自分のベットで寝てるんだろう?






「よう。起きたか?」





「人識君?」





「お前が急に倒れるから驚いたわ;」





「なんで人識君が私の家に知ってるの?」





「ああ、保険証見た。」






人識はさも当たり前のように言った。






「あーなるほどねぇ」






これで納得してしまう、自分に少し悲しくなりました;






「そういえばさぁ、なんで名前で呼んでくれないの?」






は人識に聞いた。






「あ?読んだ事なかったっけ?」





「うん、軽く傷つくよ〜?」






は笑いながら言う。






「あはは、わりぃ今度は言うわ?」






なぜ疑問系?






は思ったがあまり気にしなかった。






「んー楽しみにしてるね♪


そうだ、もう今日、遅いから泊まっていけば?」






急に思い出したようには言う。






「え?いいのか?」





「うん、いいよ」





「俺、放浪生活だから助かるわ」






人識は笑いながら言った。












………












次の朝、は人識が寝ているうちに、いーちゃんの家に向かった。




昨日の話を話したくなったからだ。









………












いーちゃんの部屋の前に着き、はドアを叩いた。






コンコン






「はーい」






中から声がする。




それと同時にドアが開いた。






ガチャッ






!?」






いーちゃんはスゴイ驚いていた。






「おはよう。いーちゃん」





「はよーで、今日はなんの用だ?」





「ちょっといーちゃん!この前から思ってたけど、用が無いと私は来ないって考えは捨てろ!!」





「(だってホントのことじゃねーか)」






いーちゃんはそう思った。









………












「そうそう昨日ね、人識君に助けられたの!スゴイ、カッコよかったんだよ!」






昨日の事をいーちゃんに話した。




話していた時のの顔は、今まで見せたことのない顔だった。






「…。零崎のこと好きになった?」






「!?」






いーちゃんの言葉にはスゴイ驚いた。






でもすぐに…。






「あーそうなのかも…」






カチャ…






「(あっ)」





「私人識くんの事愛しちゃってるんだ」



「へぇー、俺のこと愛しちゃってるんだ〜」






「うん!って人識君!?」





「あーあ;」






人識がニヤニヤしながら立っていた。






「そっかぁ」





「あ、あの…;」





「返事聞きたい?」





「うん」





「じゃあ…」






ニヤ






人識が意地悪笑みを見せた気がした。






「教えてやんねーよん」






そう言って人識は部屋から出て行った。






「ちょっと、人識君!」






は慌てて追いかけた。












………












二人が出て行った後、いーちゃんは…。









「少しは素直になれよ。人間失格;」






そう言って苦笑いをしていた。












………












「人識君返事教えてよ〜」






人識は立ち止まって、後ろを振り向いた。






「?」






そして、フッと笑った。



「俺がのこと嫌いなわけねーじゃん」





「あー…」






人見知りの激しい私が、なんで人識君なら抱き付けたのか今なら解った気がするよ?












………












えーと、星華さま。





こんなのでも一応相互夢なんですがどうでしょうか?





こんな夢しか書けなくて申し訳ないです;





しかも、人識夢のはずなんですが、いーちゃん出過ぎですよね?;





相互、ホントにありがとうございました!!





こんな管理人ですが、これからも仲良くしてやってください!(笑)





お持ち帰りはこちらのの方が楽かもしれません?





『初めて逢ったはずなのに』





2007.3.31