プロローグ
コツ…コツ…コツ…
暗闇に響く靴の音。
「(…ここ何処だろう…?)」
そんなことを考えながら歩いていると、やっと明るい場所に着く。
………
「おや?いらっしゃい」
「………」
やっと明るい場所について、最初に自分を出迎えてくれたのは燕尾服とシルクハットを被った青年だった。
「此処は【死の世界の入り口】この扉の向こうに死の世界が待ってるよ」
そう言って青年は目の前にある扉を指した。
「ボクはこの世界の案内人。さぁ、そろそろ扉の向こうに行こうか。
でも…君はホントに死んでるの?死んでないなら帰ったほうがいいよ。
此処は君のいていい世界じゃないんだから」
「え?」
………
青年の話を聞いていると、元の世界に帰ったほうがいいと言われた。
やっと、アイツ等から離れられたと思ったのに…
また、あの辛い世界に帰らないといけないの?
そう思ったらつい、そんな言葉出てきた。
………
「…いや」
「は?」
青年の驚く顔。
「いや!?ちょっとちょっと!此処は君みたいに生きてる人が来ていい所じゃないから!」
「…帰りたくない」
「(…はぁ。全く、たまに居るんだよね…。こーゆう迷惑な人が;)」
青年はそっと溜め息を吐いた。
「…」
彼女はというと、黙り込んだまま下を向いていた。
「…少し昔の話に付き合ってくれない?」
「え?」
「ずいぶん昔に来た3人の話。その人達が此処に来た理由はね…事故死・自殺・病死。
彼らの共通点は…皆、ホントは死にたくなかった。
まあ、暇つぶし感覚で聞いて。それでもまだ、帰りたくないのならその時は、あの扉の向こうに連れてってあげる。
それじゃあ、まずは事故死の子のから始めるよ…」