<br> 4話<br>






4話




ガサ




「目標との距離は?」


「5m!いつでもいけるってばよ!」


「こっちも平気だよー」


「私も」


「オレもいいぜ」


「よし!やれ」



そして、皆は一斉に目的物にとびかかった。



バッ



「うりゃああ」


「!!」



ガッ



「つっかまえたぁーっ!!!」


「ニャー!!」



捕まった猫はナルトの腕の中で騒いでいた。



「右耳にリボン…目標のトラに間違いないか?」


「ターゲットに間違いない」


「シャー」



ガリガリ



突然、トラがナルトを引っ掻いてきた。



「イテイテイテってばァ!!〈…っのクソネコ!何でオレらがこんな事やんねぇといけないだよ!これ絶対飼い主の責任だろ!!〉」


「ハハ」


「あっ!ナルト!!〈あはははっ、仕方ないよ任務だし?〉」



ナルトが引っ掻かれてるのを見て、とサクラはは笑っていた。



「ニャッー!!」



バリッ!


今だに暴れていたトラが今度はの事を引っ掻いてきた。



「って!!」


大丈夫だってば?〈…くくっ大丈夫か?〉」



さっきのお返しとばかりにナルトは笑っていた。



、大丈夫?」



ナルトとサクラは慌てての方に近寄ってきた。



「……」



は黙ってナルトに近づく。


そして、抱かれていたトラの首根っこを掴んで言った。



「…おい、あんま調子にのってると殺すよ?



ゾッ



周りにいた皆まで固まった。



『……』


「わかったぁ?」



はトラに聞く。



こくこく



トラは泣きながら頷いた。



「(御愁傷様)」



ナルトは心の中で合掌していた。



「(…ってあんな恐かったっけ?)」


「……」


「よし迷子ペットトラ捕獲任務終了!;」




………




任務終了を報告しに行くと、この依頼した火の国大名の妻マダム・しじみがトラを迎えに来ていた。



「ニャッー!!」



トラの絶叫が部屋中に響いた。



「ああ!私のかわいいトラちゃん死ぬほど心配したのよォ〜」



そう言いながらマダムはトラを力いっぱい抱きしめていた。



「(ざまーねェーな、あのバカネコ)」



アハハハ〜愉快痛快♪



「(逃げんのも無理ないわねアレじゃ;)」



みんな似たような事を考えていたが、トラに引っ掻かれたとナルトはそれを見て笑うのを必死で堪えていた。




………




「…さて!カカシ隊第7班の次の任務はと…」



マダムが帰ったあと、火影が次の任務を言おうとしていた。



めんどうじゃなきゃいいや。てか、眠いなぁ



はのどかにそんな事を考えていた。



「んー…老中様のぼっちゃんの子守に隣町までのおつかいイモ掘りの手伝いか…」



めんどうだけどさっきのより楽だ〜♪



火影様がそう言った瞬間、ナルトが文句を言った。



「ダメーッ!!そんなのノーサンキュー!!

オレってばもっとこうスゲェー任務がやりてーの!他のにしてェ!!!」



…はい!?



は本気で驚いた。



「(…一理ある…)」


「(もーめんどいヤツ!!)」


「(なんか任務でも入った?)」


「バカヤロー!!お前はまだペーペーの新米だろーが!

誰でも始めは簡単な任務から場数を踏んでくり上がってくんだ!」



イルカ先生はそう言ってナルトを叱った。


そして、その様子を隣で見ていた火影は呆れていた。



「だってだって!この前からずっとショボイ任務ばっかじゃん!!」


「いいかげんにしとけ、こら!」



ゴチ!



いつまで駄々をこねているナルトにカカシが拳骨を落とす。

そのあと火影様がなんか話してる最中、はナルトに文句を言った。。



「〈ナルトバカヤロー!これ以上余計な任務増やすんじゃねー!!〉」


「〈仕方ねーだろ!じっちゃんに極秘任務があるから、ダダこねろって言われたんだよ!!〉」



ナルトは言い返す。



「〈は!?じーちゃんに!?〉」


「〈ああ〉」


「〈でも呆れた感じで見てたじゃん〉」


「〈演技だろ〉」


「〈…っのクソ狸。ねぇナルト?〉」


「〈(笑顔が恐いから)…なんだ?〉」


「〈あのじじい死んでも誰も困らないよね?〉」



ゾクッ



「〈、落ち着け!!見た目はそこらに居るじじいと変わんないけど、じっちゃん消えたらみんな困るから〉」


「〈…ちっ〉」



火影が何かを言っている最中、は表のナルトにも話し掛けた。



「ナルト何してんの?〈あー腑に落ちないからジジイの部屋。血桜で破壊しようかな〉」



はボソッと言った。

でも、内容に問題があって、ナルトは驚く。



「んとね、昨日の昼はとんこつだったから、今日はミソにしようと思ってるんだってばよ〈はっ!?〉」



「あっ私もミソ好きー〈ナルト、血桜知らなかったっけ?〉」



その逆で、ナルトは血桜の威力をよーく知っていた。

だからこそ…。



「じゃあさあとで一楽行こうってば〈やめろ!死人が出る!(てか、じっちゃんが;)〉」


「いいね〜行こう!<知らないv〉」



は笑顔で言う。



「(…オレもう知らねぇ。じっちゃんがわりーんだからな;)」



ナルトはもう放置する事にした。

そして、今まで表と裏のとナルトの会話を聞いてたカカシは苦笑していた。



「(…二人ともギャップが激しいから;)」


「きけェェェイ!!!」


話を聞かない二人に火影が怒鳴る。



あ?



は火影に聞き返したが、反射的に怒鳴りそうになった。


そんなの様子に慌てたナルトは、急いで口を塞いだ。



「(…やべっ;)」


「うっ…ムグ…〈急に何すんだよナルト!〉」


「アハハ;大丈夫だってば?

〈機嫌悪くなるのは勝手だけど、その辺にしとけよ。アイツら不思議そうにこっち見てるから〉」


「〈あっ…存在忘れてた;〉」


「〈…おい;〉」



ナルトの言ったとおり、皆は不思議そうに二人を見ていた。



『…』



…やばっ;はぁ…仕方ない



「でも私もCランクの任務やりたい!!」



『!!』



はごまかす為に慌てて言った。

内心は嫌々だったが…。

皆はが急にこんな事を言って驚いていた。

そして誰かに何か言われる前に、はナルトに任せた。



「ねっナルト!〈ナルト任せた!〉」



急に話を振られたナルトは一瞬慌てていたけど、すぐに元に戻って火影に言った。



「えっ?…うん!そうだってばよ!!オレってばもう…!

いつまでもじっちゃんが思ってるようなイタズラこぞうじゃねェんだぞ!〈たくっ急に話し振んなよ!〉」


「〈アハハ、ごめんね?〉」


「…」



はナルトに話を振った事を謝った。

そしてイルカはナルトの成長に驚いていたが、微笑みながら見ていた。



「…わかった」



そこで火影が口を開いく。



「へ?〈なんかここまでで疲れた〉」


「え?〈騒ぎ過ぎだろ;まだ任務始まってねェし…〉」


「お前らがそこまで言うなら」


「…」


「!」


「!」


「Cランクの任務をやってもらう。……ある人物の護衛任務だ」


「アハ!〈なんかムカつく〉」


「やったv〈ホントにねぇ…〉」



二人は裏と表じゃ全然態度が違った。



「だれ?だれ?大名様!?それともお姫様!?〈誰でもいいし〉」


「そう慌てるな今から紹介する!入って来てもらえますかな……」



ガラ…



「なんだァ?超ガキばっかじゃねーかよ!」



ドアが開いた瞬間、そんな事を言われた。

火影に呼ばれて入って来た人は朝からお酒を飲んでいた。



…朝から酒飲んでるし



「〈ナルトーホントにこいつ護衛しなくちゃ行けないのかなぁ〉」


「〈じゃねぇーの?あんま護衛したくないけど〉」



二人が話してる中、その人はまた口を開いた。



「……とくに」



お酒の臭いが部屋に充満する。



「そこの一番ちっこい超アホ面とそこの超やる気のなさそうな面した奴

お前らそれ本当に忍者かぁ!?お前らァ!」



ピクッ…



「やる気のなさそうな面…?」


「アハハ、誰だ一番ちっこいアホ面って…」



とナルトが回りをキョロキョロ見る。


そして自分達の事だと分かった瞬間、切れた。



「ぶっ殺す!!!」


「やる気がなさそうなんて、朝から酒飲んでるアンタに言われたかねぇーよ!!」



ナルトは少し素が入っていた。



「これから護衛するじいさん殺してどーする!アホ、も落ち着け;」



二人はカカシに捕まえられた。



「わしは橋作りの超名人タズナというもんじゃわい。わしが国に帰って橋を完成させるまでの間、命をかけて超護衛してもらう!」



…絶対見捨ててやる



は密かにそんな事を考えていた。




………




「出発ーっ!!」


「何はしゃいじゃってんのアンタ」



落ち着きのないナルトにサクラが言う。



「だってオレってば。一度も里の外に出たことねェーからよ〈…ここ通るのもう飽きた;〉」


「私もー♪(笑)〈下忍のときまで通りたくなかった…〉」


「おい!…本当にこんなガキ達で大丈夫なのかよォ!」



ピク



タズナの一言に二人は反応する。



「ハハ…上忍の私がついてます。そう心配いりませんよ…(このガキ達がオレより強いんだけどねぇ)」


「〈ナルトーこんな事ばっか続けて言われると、いくら依頼人でも殺したくなっちゃうよねぇ〜〉」



は笑顔で恐い事を言った。



「コラジジイ!あんまり忍者をなめんじゃねェーぜ!オレってばスゲーんだからなぁ!

いずれ火影の名を語る超エリート忍者!…名をうずまきナルトという覚えとけ!!!

〈てか殺してもいいんじゃねぇの?なにか頼む奴の態度じゃねぇーだろ。このジジイ〉」



ナルトも賛成していた。



「火影っていやー里一番の超忍者だろ。お前みたいのがなれるとは思えんが」


「だーうっさい!!火影になるためにオレってばどんな努力もする覚悟だってーの!!

オレが火影になったらオッサンだってオレのこと認めざるえねェーんだぞ!!」


「認めやしねーよ。ガキ…」



ザッ



「!」


「火影になれたとしてもな」


「〈ナルトーもう限界だわ〉」


「〈!?;〉」



ガッ!



『!?』



今まで静かだったがタズナの胸倉を掴んだ事に皆は驚いていた。



「依頼人だからってあんま調子にのんなよ?ジジイ」



ガシッ



ナルトとカカシが止めに入る。



落ちつけってばよ!!〈!そいつ一応依頼人だから!!;〉」


、だからやめろ〈お前がやったら、ホントにその人死ぬから;〉」



「……」



パッ



は二人に止められて嫌々タズナを離した。



………




「ねぇ…タズナさん」



後ろの方でそんな声が聞こえていた。



「〈ムカつくな〜。あのジジイ〉」


「〈お前いい加減機嫌直せよな〜。別にが言われたわけじゃねぇーんだし〉」


「〈だってさ〜ナルトはムカつかないの?〉」


「〈あーもう慣れた。てか、一々気にすんのめんどくせぇーし〉」



ナルトは笑いながら言った。



「〈いや、慣れんなよ;〉」


「〈……;〉」



ナルトはただ苦笑するしかなかった。




………




サクラ達の会話はいつの間にか火影の話に変わっていた。



「へー火影様ってすごいんだぁ!(あのショボイジジィがそんなにスゴイのかなぁ…なんかウソくさいわね!)」


「……お前ら今火影様疑ったろ」



ギク



「〈アハハ、でも疑う気持ちもわかるよねぇ〉」



達は笑いながら納得していた。
「〈だよなぁ。じっちゃんだしな〉」


「〈…それより、ねぇ気付いてる?〉」


「〈ああ、後ろに二人。まぁこれならカカシ一人で充分だろ〉」



後ろから、忍びがついてきていた。



「〈やった休める〜♪〉」


「〈お前なぁ…〉」


「ま…安心しろ。Cランクの任務で忍者対決なんてしやしないよ」



ポン



「じゃあ外国の忍者と接触する心配はないんだァ…」


「もちろんだよ。アハハハ!」



ピク



「………!」


「………」



ピチャ…


ザッ


ギュルルルル



「!!なに!?」


「え!!?」



あー出て来た



はボンヤリそんな事を考えていた。



「な…なんだァ?」


「!」


「1匹目」



ガッ



「キャー!!」


「!!〈ちょっ!カカシ、やられた振りなんてしないでよ!!休めないじゃん!!〉」


「カ…カカシ先生ェ!!〈…そっちかよ;〉」



ボトボト


スウ…



ナルトは二人の存在に気付いていたが、ワザと動かなかった。



「!!!(アイツじゃねぇけどめんどくせぇな)」


『2匹目』





Top・Back・Next




………




ここまで、読んでくださって毎回ありがとうござます!!


いやぁ波の国編始まりましたよ。


私この話好きだから嬉しいです。


やっとここまで来てくれた。


でもまだ原作2巻が終わってくれません。遅い;


それでは、また!