<br> 5話<br>







5話



敵はナルトが動けないのをいいことに容赦なく襲ってくる。



「ナルト!」



の叫び声。



でも実際は…。



「(…もーめんどくさいなぁ)」



と、思っていた。



暗部だから言えることでしょう。やっぱ。

だって他の人達は驚いて固まっているだけだから。



「!」


「(に…忍者!!?)」



タズナは戸惑っている。

当然だろう。頼りにしていた上忍は一番最初ヤラれていた。

が、こんな中でも冷静に動いている奴はいる。



カッ!



『!!』



サスケである。

ナルトは敵にヤラれる寸前にサスケに助けられた。



「〈ふ〜ん。アイツ以外とフットワークいいじゃん♪〉」



ナルトはどこか嬉しそうだ。



「〈…ム。ちゃんちょっと、サスケにジェラシー〉」



そんなナルトを見て、は面白くなかった。



サスケめ〜ナルトは私が助けようとしたのに〜っ!!



「〈はぁ?なんでだよ?〉」



「〈…別にぃ。あっサクラが危ない!〉」



はそう言って、さっさとサクラの方に行ってしまった。

残されたナルトはというと。



「〈…おい。話中断すんなよ;〉」



と、呟いていた。






…………






「おじさんさがってェ!!」


「!」



がサクラに近づくと、そんな声が聞こえてきた。



「(…ちょっと急ぐかぁ)」



は急いでサクラの方に向かう。



スッ



敵が迫って来る直前、にはサクラの前に立った。



!」



「ハロ〜サクラ♪」



驚くサクラとスッゴい余裕の

が、その直後。



ふっ…



サスケがの前に立っていた。



「!」


「!?〈は?ちょっ!!〉」


「〈……落ち着け?なに言いたいのか、全く分かんねーから〉」



荒れているにナルトが宥める。



一度ならず二度までも…なんなんだよ!!

サスケ君はなにか私に恨みでもあるんですか!?



が内心ぼやいていると、敵が目の前にまで迫ってきた。

しかし次の瞬間、ドコッという鈍い音が周りに響く。

そして、そこには敵ではなく、カカシが立っていた。



「!!」


「ぐオ!!」


「(カカシ先生…!生きてたァ!?)」


「(フン…出しゃばりが…)」


「!」


「(ほっ……どうにか助かったわい)」



みんな驚いていたが、それ以上にホッとしているようだった。

が、そんなことで納得いかないのが子がここに一人。



「カカシ先生!!」



が涙目になりながら、カカシの方に駆け寄っていった。

皆も徐々に集まってくる。



「(うわ…;)」



カカシは仏の顔をした般若を見た気がした。



そして、般若の方が口を開く。



「〈カ〜カ〜シ〜。なに一人だけ休んでんのさ?私寝ようとしてたんだよ?〉」



は笑顔でカカシに詰め寄る。



しかも、皆から死角になる手には黒光りする物を握り締めながら。



「ナルト…すぐに助けてやらなくて悪かったな。ケガさしちまった。

……お前がここまで動けないとは思ってなかったからな。

とりあえずサスケよくやったも頑張ったな。サクラも…。〈ごっごめんーね!!!〉」


「〈…別にいいんだけどねぇ〉」



そう言って手に持っていたクナイをしまう。



ゾクッ



しかし、それが逆に恐かった。

冷汗がダラダラと流れる。



「〈………;;〉」



カカシはに聞こえないように、そっとナルトに話し掛けた。



「〈なんか、機嫌悪くなーい?;〉」


「〈ん?あー。さっきサスケに美味しいとこ取られて、それでなおさらな〉」


「よォ…」



噂をすると、サスケがナルトに声を掛けてきた。



「ケガはねーかよ。ビビリ君」



「!!!(うぜー;)」


ナルトはサスケに掴みかかろうとしたが。

すぐにカカシが止めた。



「ナルト!ケンカはあとだ。こいつらの爪には毒が塗ってある」



「!」


「お前は早く毒ぬきする必要がある。傷口を開いて毒血をぬかなくちゃならない」


「……」



「あまり動くな。毒がまわる」



ズキズキと痛みが走る手。



「〈ナルトだいじょーぶ?〉」


「〈ああ。てか、すぐに治るし〉」



ナルトは手の傷を全く気にしていなかった。



少しは気にしよーよ。ナルト;

私は内心、苦笑していた。






………






「タズナさん」


「な…何じゃ…!」


「ちょっとお話があります」



カカシとタズナの話が始まったんだけど。

はっきり言ってめんどくさい事してくれたなぁ。

…このじーさん。



「我々は、アナタが忍びに狙われてるなんて話は聞いていない。

依頼内容はギャングや盗賊など、ただの武装集団からの護衛だったはず…。これだとBランク以上の任務だ…」


「………」



タズナは黙っている。



「依頼は橋を作るまでの、"支援護衛"という名目だったはず。

敵が忍者であるならば…迷わず高額な゛Bランク゛任務に設定されていたはず…。

何か訳ありみたいですが、依頼でウソをつかれると困ります。これだと我々の任務外ってことになりますね」


「この任務まだ私達には早いわ…やめましょ!」



今まで黙っていた、サクラが口を挟んだ。



「ナルトの傷口を開いて、毒血を抜くにも麻酔がいるし…。里に帰って医者に見せないと…」



サクラはなにかしらの理由をつけて、里に帰ろうとしていた。

まぁ、分からなくはないけどねぇ。



「んー…。こりゃ荷が重いな!ナルトの治療ついでに里に戻るか」



「〈どうする〜ナルト?…ここで帰られると私らが困るんだよね。(個人的には嬉しいけど〜)〉」


「〈そのことなら、オレに任せとけって。面白いこと思いついたから〉」


「〈へぇーどんなん?〉」


「〈…まぁ見とけって〉」


そう言ってナルトはニヤっと笑った。






………






「失敗したじゃとォ!!お前達が元腕ききの忍者だというから、高い金で雇ったんじゃぞ!」



スッ…



向けられる包丁。



「!!」



シュ






………






ザク



「!!!」


「!!」


『!』


…うわっ;



「ナルト。何やってんのよ!アンタ!!」



サクラの怒鳴り声が聞こえる。



ポタ…っと地面に落ちる血。



「オレがこのクナイで…オッサンは守る。任務続行だ!!!」



マゾってホントにいるんだ〜♪てか、あとでシバく…






………






「ぐちぐちうるせーよ。今度はオレ様がこの首切り包丁で…そいつを殺してやるよ」


「…ほっ…本当だろーな…!敵もかなりの忍を雇ったようじゃし…。

そのうえ、鬼兄弟の暗殺失敗で警戒を強めているとなると…」


「このオレ様を誰だと思ってる…。霧隠れの鬼人と呼ばれたこの桃地再不斬をな!」






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………



久しぶりにUPですね〜。


やっと再不斬出せました!


白まであともーちょい(笑)


がんばるぞ〜♪