<br> 7話<br>







7話




ー数十分後



『あったー!!!』


『光、馨ありがと!』


『いえいえ、どういたしまして。…それより早く行かないと殿に怒られるよ』


『…!!』







………






「へぇ…それは大変だったわねぇ。携帯と鞄がひとりでに池に落ちるなんて怖い話ね?」



「いや、ホントに」


「ハァ…」



ってか、なんでアナタが私達の指名してくんですか?



「(なぜこの人が自分達に指名を…)」



「でも、環様達のお手を煩わせるのはやりすぎね。たかが安物の携帯と鞄を探すためでしょう?

可愛がられてるなんて勘違いしないことね。環様があなた達を構うのはあなた達の育ちが珍しいからよ。

調子にのって環様にくっついているから、次々おかしな事が起こるんじゃないの…?」


「…それは…つまりヤキモチ…」


「…うざいなぁ。ってかさぁ、たかがヤキモチで、こっちにまで手を出すの止めてくんない?」



ピシ



なにかが固まった音がする。



言い過ぎ…(気持ちはわからなくはないが…)」


「は?知るか、調子のんな」



ガシャンッ!!



『わっ』


「キャッ助けて!!二人が突然乱暴なことを!!」


「ハァ?」


「え…っ」


「やっぱり野蛮ね。誰か早くこの庶民達をー…」



ざわっと騒ぎだす周り。



「えーくんとハルヒくんがー?」


「コワーイ」



バシャ



ポタポタと滴る水。



「あ、ごめん」


「手がすべった」


悪気のなさそうに謝る光と馨。



「な…っ」



綾小路の君は驚きのあまり固まっている。

しかし、そうそう固まってばかりいられない。

バラバラと落ちてくる何枚かの写真。



「バレてないとお思いでしたか?うちの情報網を甘く見ないで頂きたい。

別件の写真も物論押さえてありますよ?」


と、鏡夜先輩。



「この人コワイ鬼みたい」



じわと泣きそうなハニー先輩。



「!!」


「見苦しいな」



ボソッと一言いうモリ先輩。


そして、最後に…。



「そうねぇ…君はなかなか綺麗なんだけど」


「た…環様!!あの子達が…」


「顔だけよくても困るんだよねぇ。悪いけど消えてくんない?

うちの部員に手ぇ出す奴は客じゃないんでね」


「あ…わーんたまき様のバカァー」



わぁ…すごーい。これって追い討ちプレー?



「いるんだよねー。たまにあーゆーカンチガイ女王」


「…」


「って!ちょっと待って綾小路さん!!」



私は慌てて綾小路を追い掛けた。



『…なんで追い掛けてるわけ?』



頭に疑問符を並べる二人。

その答えをすぐにハルヒは言った。



「あー多分携帯の事じゃない?」






………






ガシッ



「待って!!」


「…まだなにか?」



「あなたが壊したボクの携帯弁償してねv」


「はぁ?なんで私が、たかが庶民の安物携帯を弁償しなくちゃならないわけ!?」



ガンッ



びくっ!



私は壁を殴りつける。



「庶民庶民うるさいなぁ。ってか、庶民だったとしても、人のもの壊したら弁償するのは当たり前でしょ?

しかも残念だけど、ボクは庶民じゃないわけ。ただ事情によってふりしてるだけなの。

んじゃ、よろしく〜。家敵にまわしたくなきゃ早くしてねv」


「!!」


「あっこの事誰にもいわないでね〜」






………






部室にもどると、何故かハルヒがしゃがみ込んでいる。



「? ただいま」


良いところに帰って来た。お前にも追加1000人を申し渡す」


「ハァ!?なんで!!」


「もう決定事項だ。期待してるぞ?天然ルーキー達」



波瀾万丈



ホスト部生活



晴れてふりだしに戻る



「なんだコレは…」


「呪いかね?」


「わかんない」


「ハハ…」



達が話し込んでいると、環が何かを見つける。



「ん?なんだ?学生証か?」



「あ、たぶん自分のですさっき落ちたんだ」



「…ハルヒ」



「はい」



「おまえ女なのか」



「はい、生物学上は一応。あ、写真は中3のトキのですが」



「……ー!?△☆○×!!」



「すみません。おどろかせてしまいましたか」



「でもやっぱ今の髪型もいいけど長い時の方が好きだな〜」



「ありがとう。でも、の方が可愛かったよ?」



「あはは///そんなことないよ」



「…?ハルヒ男のにカワイイは変だと思うぞ!!」



…バカだこいつ



「先輩ホントに気付かないんですか?」



「?」



「…ハァ。言っておきますけど、は自分と同じ性別ですよ」



「…」



やれやれと思いながら私は女の子っぽく言った。



「先輩私の事ずっと男だと思ってたの?

…先輩にはもっと早く気付いてほしかったなぁ」


「ーっ///!?い、今、わた、わた、私って言ったー!!?」



途中で気づいた面々は…。



「あーやっと気付いたよ殿。やっぱ抜けてんなー。てか、ここまで女として否定されたら二人が可哀相だよな」


「ホント、ホント。本能ではわかってたみたいなんだけどねー。フツー男にあそこまでしない」


「……」


「僕最初から気いてたよーv」


「かなり面白い展開だ」


「…!!!!」



パクパクと口を開けている環。

それを見ては…。



金魚みたーい



と、失礼な事を考えていた。



「私自身どっちでもよかったしねぇー。親に言われてやってただけだし、先輩ダマせて楽しかったし?…あ〜でも」



は笑いながら言う。



「自分も先輩達が男と思ってるなら、別にそれでもいいかなと思ったんですけど、

どうも、自分で男とか女の意識が人より低いらしくて、外見にも興味ないし父の影響ですねきっと…ああでも」


『さっきの先輩はかっこよかったですよ?』


「///」



ひょっとして


こういうのも


ひとつの恋のはじまり


ではー…?



「でもさぁ女の子達かわいいよね?」


「うん、ホント。女の子に騒がれるのも悪い気しないことが判明したよ」


「は!?!?ハルヒ!?」


「どうもそっちの気があるみたい。そうだ今度から【俺】って言おうかな?」


「いいね、それ。私も【ボク】のまま続けてみようかな? 」


なら似合うよ」


「ありがとv 」


「オイ!!!」



恋のはじまりは!?



『(…殿だと始まらないと思う)』



………






ー後日



部室に綾小路から宛の封筒が届いた。



『なに入ってたの?』



ハルヒと双子が近づいて来た。



「んー携帯代と慰謝料?」


「なんて言って返してもらったの?」


家敵にまわしたくなきゃ返せ…だったかな?」


「…」



がそう言った瞬間。

ハルヒの顔がサーっと青くなった。

しかし、それに気付いていない2人は話を続けていた。


「よくとっさにそんな嘘思いついたな」


って嘘つくのうまいよね〜」


「いや〜残念ながらこれは嘘じゃないよ?」


『えっ!?だって庶民じゃ…』


「違うよv 」


「…じゃあなんで」


「庶民のふりなんか…」


「親と賭で負けてねぇ…;あっこれ知ってんのハルヒの他に光と馨だけなんだから黙っててね」


家はなんの経営をしているの?』


「えーと、主にレストランと花屋かな?そういえば常陸院の人達もよく来るね」


『……』



人には思いもよらない繋がりがあるんだな…。

そう二人は思った。



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………






お待たせいたしました!


原作第1話終了です。


次は第2話ですね。


ここまでくるのにすごい長かった…


1話終了させるのに1年って;


うん、やばいね


次はもう少し早く更新しよ〜


それでは、ここまで読んでくれた皆様。


次は2話で会いましょう(笑)