<br> 4話<br>






4話




朝。

あのあと人識はの家に泊まっていった。

そして、今もソファーの上で寝ていた。



「私、大学に行くから、朝ごはん机の上にあるから勝手に食ってね」


「…んー」


「どっちだし;」



人織の聞いているのか、聞いていないのか分からない返事に、は苦笑しながら部屋を出ていった。



「多分帰ってきた時はもういないんだろうなぁ」



それをちょっと淋しいと感じながら、大学に向かった。




………




大学に着くと、はいーちゃんを探し始めた。

それはやっぱり、人識の話をしたかったから。



「すぐに見つかるといいなぁ。てか、今日来てないって事はないよね;まぁ食堂に行ってみるか」



食堂に行くと、いーちゃんは居てくれて、何かを食べていた。



あっいた!



「よっ欠陥製品」



は昨日、人識から聞いた呼び名で呼んでみた。



「!?」



いーちゃんはかなり驚いていた。



アハハ、やっぱ驚くか。まぁ、こんな呼び名、人識くらいしか呼ばないだろうからね〜



「なんだか…。てか、なんでがその呼び名知ってんだよ…」



「それはね、いーちゃん。私が君そっくりな、殺人鬼と知り合いになったからだよ」


よくアイツ相手に死ななかったな」


「それがひどいんだよ」



はこの数日の事をいーちゃんに話した。

人を久しぶりに殺したとき、仲良くなったこと。

次に逢ったときは、人織がの事を他人と勘違いして殺そうとしてきたこと。

そして、自分も持ち歩いていた、サバイバルナイフで反撃したこと。

それでも、あともうちょいでとどめをさされそうになったこと。

けど、自分が気付いて殺されなかったこと。



「…(いや、サバイバルナイフ持ち歩くなよ。)それにしても、よく零崎相手に反撃できたな」


「そうそう、見てよ。この傷!太股パックリいっちゃってんだよ」



そう言って、は包帯で巻かれた太股を見せた。



「うわっ零崎にやられた傷?」


「うん。まぁ、人織の方も同じくらいの傷だけどね〜」


「(…軽く零崎に同情するよ;)アイツ、今ん家にいるのか?」



いーちゃんが質問する。



「うん」


「…うわー。まぁ頑張れ」


「うん?」



どーゆう意味ですか?いーちゃん;




………




大学が終わって、は真っ直ぐ家に帰った。

人識がまだ居るといいなと、なぜか願いながら…。



ガチャッ



は玄関を開けた。

そして。



とりあえず言うだけ…



「ただいま〜」


「おう、お帰り〜」


「…」



居てくれた…



は人識が居てくれて、なぜか嬉しくなった。



「何、黙ってんだ?」


「いや、もういないかと思ったら」


「あー何か居心地よくて」



人識は笑いながら言った。



「んじゃ、暫くいたら?私もその方が楽しいし」



は素直にそう思った。



「んーそうするわ」



ーその夜



「そういえば、。どこで、欠陥製品と知り合ったんだ?」


「んー?確か何年か前に、ある事件で知り合ったんだけど、

それから度々会ってたんだよね。それにしても、いーちゃんは中々しぶといんだよねぇ」



はしみじみそう思いながら言った。



「…?!ちょっと待て!その言い方だと、アイツの事殺ろうとしたことあんのか?」



逆に人識の方はかなり驚いていた。



「うん。さっき事件があったって言ったじゃん?」



そう言って、は昔の事を話し始めた。




………




の友達が偶然、自分が殺人鬼だって事を知った。

そして、その友達も興味本位で人を殺すようになった。

そこまでなら、はなにも言わなかった。

でも、友達は自分の殺り方を真似をしていた。

だから、は友達に言った。



「姫、いー加減やめたら?」


「えーなんで!?すごく楽しいのにぃ。それにだって殺ってんじゃん!」


「私と姫じゃ違うよ;それに心配だし…」


「えっ、心配してくれるの?大丈夫だよ!

の真似してるし失敗するようなヘマはしないよ!」



…アンタの心配なんかしてないから。

アンタが私の真似すると、アンタの罪まで私についてくんだよ



「ほどほどにな;」


「あっ!」



が苦笑していると、姫が突然声を発した。



「どうしたの姫?」


「ううん、何でもないv」



姫は笑いながら言った。

でも、姫の目の前には一人の青年がいて、はすぐ分かった。



「ふーん」



この人が今日の姫のターゲットか…




………




ー夜



サクッ



すでに血の臭いが周りに充満していた。



「………っ」


「ねぇ君、いー加減死んでよ」



あーやってるやってる♪



は木の影に隠れて二人を見ていた。

そして、もう決着が着くという所で、は面白いものが見れた。



あの人目つぶらないなぁ…。普通の人は殺されるとき、目をつぶるのに。

アハハ、面白い♪



「バイバイ(笑)」



姫が青年にトドメを刺そうとしていが、それをは止めた。



パシッ



『!?』



二人は突然の現れた人物に驚いた。



「大丈夫?」



しかし、それを無視しては青年に声をかけた。

青年は驚いたけど、味方だとわかったら安心したようだ。



「あー…大丈夫です」


「大変だったでしょう?」



は笑いながら言う。



?何でがこんなとこにいるの?それになんで私の邪魔するの!?」



姫が声を荒げる。



「姫を止めに来たの〜♪」


「…なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?

なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?

なん…で?…私の邪魔するならでも殺してやるー!!」



ヒュン!



姫がにナイフを突き付けてきた。



キンッ!


ガン!



は突き付けられたナイフを自分のナイフで防ぎ、姫に蹴りを食らわした。



「………っ」


「姫、あんま調子のんな?お前とは腕が違うんだよ。プロなめんな?」



「…ちっ!わあぁぁぁーっ!!!」



姫が最期にに向かってナイフを投げてきた。

が、はそのナイフをやすやすと交わした。



ガッ!!



ナイフは木に深く突き刺さった。



「いー根性してんね〜」


「ヒッ…!!」



ザクッ!


グサッ!


グシャ!


ピチャ…




………




「ふぅ…疲れたぁ。あっそういえば君なんて言うの?」


「あっ適当に呼んでくれていいよ。『戯言遣い』『いーちゃん』『いー』でもなんでもいいよ」


「んじゃ、いーちゃんね。あっ私はって呼んで」


「あの娘、友達だったんじゃないの?」


「いいのいいの。それにしてもいーちゃんって面白いよね」


「は!?どこが?」



ザクッ



「!?」



はいーちゃんの胸の近くの木にナイフを突き立てた。



「やっぱり面白い」


「ち、?」


「いーちゃんって、どんなに殺されそうになっても目つぶらないよね」


「……;」


「んじゃ、いーちゃんまた会おうね」


「またね」


二人は携帯番号とアドレスを交換して別れた。



今日は楽しかったな〜♪




………




一方いーちゃんはというと。



「あーぼく今日何かやったけ?…いや、戯言か;」



そう言って苦笑していた。




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………





ここまで読んでくださって、ありがとうございます!!


一体いつから更新していないんだろう?;


ヤバイですね;


これからは、もうちょい頑張りますよ!


それでは(笑)