1話












あー眠い…



早く報告して寝よう。



…こそっ



そんなことを、考えていると話し声が聞こえてきた



微かな血の臭いと一緒に…。



…あんまり、行きたくないなぁ。



は、そう思いながらも仕方なく行くことにした。



…あの人怪我してる?;



………



青年は、敵に追い詰められていた。



「おい!さっきまでの余裕はどうした?」


「…うっせぇよ!(ちっ油断した。しかも向こうは調子に乗ってるし…。)」



敵は、青年を無視して続けた。



「殺されるのが恐くて震えてんのか?(笑)

まぁ、すぐには殺してやんねぇよ!お前には、仲間を殺された恨みがあるからな。」



ピタ…



「忍者が、油断なんかしちゃだめなんですよ?



は、敵の忍者にクナイを突きつけていた。



『!!』



二人は突然現れた人物に驚いた。


そして、クナイを突きつけられた忍者が騒ぎだした。



「だ、誰だ!お前は!!」


『バカじゃないの?だから殺されるんだよ』


「は?」



ザクッ!!



どういう意味か聞き返そうとしていた、敵の暗部は既に死んでいた。



「大丈夫?」


「あ…(それより、コイツいつからあそこにいた?)」



青年は警戒していた。



でも、はそんなことは気にしないで青年が怪我していないか見ている。



「あーやっぱり怪我してる、しかも意外とひどいし。」



そう言っては怪我の治療を始める。



ー治療が終わって



今まで呆気にとられて何も言えなかった、青年が口を開いた。



「…お前は何者だ。」



青年は、突然現れたを不審に思っていた。



「は?突然何を言いだすの、私は通りすがりの木の葉の忍者ですよ。【うずまき ナルト】君?

いや、今の格好ならじーちゃん専属の暗部の【江狐】さんかな?」


「!! 何でその名を…。」



江狐は、すごい驚いていた。



自分が暗部だということは、一部の人間しか知らないことだった。



「アハハ、なんででしょうねぇ?」


「何で、オレの事を知ってんだ?」



何回も聞いてくるのでは確かめてた。



「そんな気になる?」


「ああ」



江狐はすぐに、肯く。



「あるスジからの情報v」


「え!?」


「しかも、君のよく知っている人。」


「はっ? てか、お前ホント何者だ?」



江狐は、困惑していた。



「秘密ですよv そんなに気になるなら自力で探せ? じゃあ、また会えたらね。」



が行ったあとも江狐は困惑していた。



「(…なんなだよ、あいつ。」



ーその頃



は、火影に任務の報告をしていた。



「じーちゃん、任務終わったよ!」


「おお、ご苦労じゃったな。」


「んー、そうそうさっき江狐さんにあったよ。」


「江狐に?」


「うん、怪我しててやられそうになってたから、助けてあげた。」



じーちゃんは、江狐が怪我をしたことを知り驚いていた。



「あやつが、怪我を?」


「うん、治してあげたけどね。 あっそうそう、江狐さんに脅されると思うから気をつけてね〜。」


「は!?」



それは、いったいどういう意味だ?と聞こうとしたらが先に言った。



「んじゃ、おやすみ〜」


「ああ;」



がさっき言った忠告のおかげで、火影はずっと冷汗を掻いていた。



「あっあと、江狐さんが来て私のこと聞いてきたら暗部名しか言わないでね。もし言ったらわかってるよね?」



顔は笑っているけど、の手の中にはクナイが握られていた。



ゾッ…



タラリ…



火影はさっきより、自分の汗の量が増えたことがわかった。



「…;(苦笑)」



そう言って、は隣の部屋に行った。



ー数十分後



ドカッ!!



が、気配を消して寝ていると突然隣から大きな音がした。



ん…煩い、まぁいいや気にしないで寝よう…ん?てか、この気配…一応変化しておくか。



は、用心のため変化した。



そしてまた寝ようとしていた。



………



大きな音の原因は、江狐だった。



「おい!! オレの情報をアイツに言ったのはじじいか!? てか、アイツは何者なんだよ!!」


「お、落ち着け;江狐!!(が起きたら、やばい!!この部屋が壊れる…。)」



しかし、火影の願いも空しく江狐は大声を出していた。



そしてこの音は、当然隣の部屋に聞こえていた。



…まじで、うっさいな。



は、隣の部屋があまりにも煩くて目が覚めた。



そして、ついにキレた。



バンッ!!



『!!』



二人は、最初かなり驚いた。



しかし火影の方は誰かわかった瞬間苦笑いに変わった。



「(明日、片付けるのが大変になりそうじゃ…;)」



しかし、江狐の方は状況についてきていなかった。



そして…。



「こんな、夜中に騒いでんじゃねぇーよ!!」



ドカッ!!



は、そう言って蹴りをいれた。



江狐はその蹴りが見えなくて、まともに喰らってしまう。



「…いってぇ、急になにすんだよ!!」


「バーカ、アンタが人の睡眠妨害するからでしょう?」


「隣の部屋で、誰か寝てるなんて誰も思いつかねぇーよ!!」


「ハァ!?なに逆ギレしてんだよ!」


「は!?してねぇーよ!!」


「してるじゃん!!」


「してねぇー!!」


「してますー!!」


「してねー!!」



このままでは、いつまで経っても終わらなそうだったので火影が止めに入った。



「…お前ら、もうちょっと声の音量落とせ;」


『うるさい!!じじいは黙ってろ!!』



二人は、そろって同じ事を言った。



「………。(苦笑)」



そこで、一端落ち着いた江狐はふと思い出した。



「あっ!!そういえば、お前さっきの…。」


「は? ああ、江狐さん今気がついたの?」


は、なにを今更という感じでいった。



「さっきお面被ってたし、身長とかもさっきと違うしな。」


「あー、そういえばそうだね。任務のときは、年齢変えてるからね。」


「んじゃ、今も変えてんのか?」


「うん。」


「…実年齢、いくつだよ;」


江狐は、軽く呆れ気味に言った。


「さぁ?いくつだろうねぇ。」


「また、それかよ。じっちゃんは、知ってんのか?」



火影は二人の様子を微笑みながら見ていたら、急に話を振られ慌てて答えた。



「は?ああ、知ってるのう。」


「ふーん、まぁいいや。結局お前なんて言うんだ?」


だよ。じゃあねぇ、江狐さん。」


「ああ、またな。」



パタン…



は、また隣の部屋に帰って行った。



「アイツ、ここに住んでんのか?」


「そうじゃよ。おぬしもそろそろ帰りなさい。今日もアカデミーあるんじゃろ?」


「ああ、じっちゃんまたな。」



江狐も行ったあと、火影は思った。



「(あの二人の感情を見るのはひさしぶりじゃな…。この出会いが、二人にとっていい出会いになると良いんじゃが…。」



ー翌日の夜中



あーよく寝たなぁ。



は、江狐と別れたあとずっと寝ていた。



そして目が覚めたら暇だったので、隣の部屋に居るじーちゃんの所に行った。



「じーちゃん、ハロー(笑)…あれ?」


「あっ。」


「…?」



部屋に入ったら、江狐とあともう一人違う人物がじーちゃんと話していた。



「おお、いい所にきたな。」



じーちゃんの言葉を聞いて、はいやな予感がしていた。



来るタイミング、間違えたかも…;



「実は禁術の巻物を奪われてな、それを江狐と蒼鹿と一緒に奪い返してきてほしいのじゃ。

それと、巻物の中身を見たものの暗殺を任せたい。」



の予感は的中した。



…うわ〜来なきゃよかった;



「…こいつらと一緒なら嫌v 」


「何故じゃ?」



内心火影は、の態度に驚いていた。



「(蒼鹿の方はなにもないけれど…。里の者はナルトを見て毛嫌いする。

でも、はそういう事をする子では、ないと思っていたんじゃが…。)」


「(はっ…、こいつも他の奴らと一緒かよ。)」


「(…てか、誰だよコイツ。)」



江狐は、も里の奴らと同じだったという事に驚きもせず、鼻で笑っていた。



「てか、先に言っとくけど別に江狐さんが嫌だからとかいう理由じゃないからね。」


『!!』


「じゃあ、なんで嫌がるんじゃ?」


「だって、江狐さん弱いじゃん。それに君だってそうだよ。


江狐さんと同じでじーちゃん専属暗部の【奈良 シカマル】君?


まぁ、今の場合は【蒼鹿】さんって呼んだ方がいいか。でも、私は足手まといは要らないよ。邪魔なだけだし。」


『……。』


「(らしいのう…。)」



火影は、そう思いながらを見て微笑んでいた。



『(何で、コイツオレの名前知ってんだ!?)」



蒼鹿は、に自分の名前を教えていないのに知っていることに驚いていた。



「(…こいつは、里の奴らとは違うのか?)」



江狐は、の事を信用しても平気かどうかわからなかった。



「(ん?ちょっと待てよ…。)」

                                   
「<なぁ、江狐なんかひっかかんねぇか?>」



二人は、他の人達に聞こえないように隠話で話した。



「<ああ、オレもそう思うんだ…。>」



二人はしばらく考えた。



そして、同じ答えにたどり着いて同時に言った。



『オレラが弱いってどういう事だよ!!』


「そのまんまの意味♪」


「はぁ!?オレがいつ弱かったんだよ!!」


「てか、そういうアンタはどうなんだよ!!」


「誰だったかなぁ、敵にやられて殺されそうになってた人。それに、君らと比べたら誰だって強いと思うよ?

てゆーか、じーちゃんよくこんな腕で専属の暗部なんかにしたね。そんなに里の忍不足激しいの?」



のあまりの言いぐさに、二人は固まり火影は苦笑いをしていた。



『なっ!!』


「………;」



そして、すぐさま江狐が反論する。



「あの時は、相手が弱いと思って油断してたんだよ!!」



この言葉に、は慌てずに言い返した。



「ふーん、油断している方が馬鹿なんじゃん。それになんで、君ら如きが暗部になれたかが不思議なんですけど。」




ガンッ!!



江狐がキレ、近くにあった壁を殴りつけた。



「…んだとテメー!!あんま調子にのんじゃねーぞ!!」



そして、の胸倉をつかみかかった。



「別に、調子になんか乗ってないし。てか、ホントのこと言われてキレてんの?

はぁ…。だから、お前らみたいな奴らは嫌いなんだよ。」


『!!』



そろそろ、ヤバいと思った火影が二人を止めに入った。



、江狐!」



ビクッ



その声に、二人はとりあえず止まった。



「…とりあえず、江狐はを放せ。」


「…ちっ。」



火影に言われて、江狐は渋々を放した。



「それで、もその辺にしておけ。」


「ごめん、言い過ぎた。」



は、自分でも言い過ぎたと思い謝った。



「別にいい。てか、ホントにこいつは何者なんだよ。」


「ああ、里でこんな奴見たことないぜ。」



今まで、黙っていた蒼鹿も同意した。



…これ以上隠すのは無理かな。



「…名前と年齢以外なら言っていいよ。」



苦笑いをしながら、は火影に言った。



「わかった。もお主らと同じで、わし専属の暗部じゃよ。」


『!!』



火影の言葉に、二人は驚いた。



「でも、専属の暗部ってオレらだけじゃなかったか?」



疑問に思った、蒼鹿が聞いてきた。



「違うのう。」


「あっ!いつも単独でしか任務を受けない奴がいるって、前じっちゃんに聞いたことがある。」


「そう、それがのことじゃ。」


「でもなんで、単独でしか受けねーんだ?」


「お前は、人のこと言えねぇけどな。」



江狐が聞いてきた瞬間、蒼鹿が突っ込んできた。



「蒼鹿、うるさい!」


「さっきも言ったでしょう?足手まといになってじゃまだし。


…それに、他人はすぐに裏切るからね。だから、私は自分しか信用しないんだよ。」


『……。』



の言葉に、皆黙ってしまった。



「(オレと似てる…。もオレと似たような体験をしたことがあるのか?だから…。)」


「(…オレと会う前の江狐と同じだな。)」


「(…。おぬしはまだあやつらのことを気にしておるのか…。)」



皆が暗い雰囲気の中、は火影に声をかけた。



「それでじーちゃん、任務の場所ってどこなの?」


「草隠れの里じゃよ。…引き受けてくれるのか?」


「うん。それに、江狐さんと蒼鹿さんの実力もてみたいしね。」


「あ?お前こそオレらの足ひっぱんなよ!」


「勝手に言ってろ♪」



は鼻で笑ってから言った。



「(…ぜってぇ、こいつには負けねぇ。)」


「(あー、めんどくせぇことになっちまったな。)」
















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